失業者にプログラミングを教えて就職させる事業(案)

そういえば数年前こんな事業は出来ないかと考えていた。

なぜなら、
(1)少なくとも当時、日本国内ではプログラマー不足であった。
(2)プログラミングはある程度才能がある人なら短期間で出来るようになる。
しかも、このある程度の才能がある人は予想以上に多く、前職が何であるかとか、
学歴、理系文系、男女、ヤル気があるかどうか、などは全く関係なさそう。
(3)上記の「ある程度の才能」が有るかどうかはほとんどの場合、本人は気づいていない。
(4)ある程度プログラミングが出来れば、顧客先に派遣されそこで学習できる。
そのため、就職先の質はあまりこだわらなくても良い。(あんまりブラックな会社はもちろんダメだが)

(1)は今ではどうなのか分からない。業界の人の話を聞いてみたい。
少し関係ない話だが、うちの会社は今でもプログラミングが出来る人が少なすぎて
業務効率化や新しい事業への参入が遅くなっているのは間違いない。
(たいがいプログラミングが出来る人に業務が集中する)

(2)、(3)に関しては、私は社内でいろんな人にプログラミングを
教えるという経験がある。
教えて欲しいと希望してきた人はもちろん、仕事上知っておいた方がよいと思われる人にも無理やり教えた。
出来ない人はいくら教えても出来るようにならないし、
まったくの未経験者でしかもヤル気がない人でも、すぐに出来るようになる人もいる。

ここの対応は、
(あ)あらかじめ出来る人と出来ない人を判別するテストを開発する
(い)教え方を改善して出来るようになる対象者を増やす
の2つが考えられる。恐らく2つとも必要であろう。

(あ)に関しては、もう7年ほど前であるが、私は就職活動をしているときに
SIer企業をエントリーしたさいにいくつか試験を受けたが、それが参考になるかもしれない。
IQテスト的なものが多かったように思う。
(中にはエントリー段階で何でもいいからソースコードを提出させて社長がそれを判断するというものもあった)
ただその後のプログラミングが出来るようになったかという結果は
芳しくないものもあったのではないかと思う。
いずれにせよ、この手法が確立すれば、派遣村に来ている人や浮浪者からも
プログラミングが出来るようになる人をピックアップして、就職させることが可能であろう。
ここまでくればヘッドハンティング業としてかなりの手数料を取れると思う。

ちなみに話はずれるが、幹部候補生を雇いたいならコンピテンシーという手法がある。
ただこれは面接官にかなりの技術が必要であるため
まともに出来ている会社はほとんどないように思う。
おそらく、プログラマーに求められる能力はこれとは違うと思われる。

(い)に関してはかなり工夫したつもりだが、改善のよちはあるかもしれない。
教えるというのは本当に難しい。分からないポイントが人それぞれ違うから。

そもそも私がこれを考えるようになったきっかけは、
数年前、大学を辞めてふらふらしていた親戚との出会いだ。
第一印象としては、なにもかもヤル気をなくしていた感じだったが、
丁寧に話を聞いてあげると全然そんなことはなく、仕事をしたいんだという気持ちを感じられた。
ハローワークで見つけたプログラマーという職業に興味を持ち
就職したいと考えたが、面接での自己表現技術があまりなく苦戦が強いられた。
私の家で1~2ヶ月ほど住み込んで就職活動していたのだが、その間はなるべく面接技術のようなものを指導した。
その結果、手堅い経営をしているIT企業に就職できた。

頑張って就職の後押しをしてあげてよかったと本当に思う。
ただ反省点もある。私が教えたのは面接技術だけで、キャリアカウンセリング的なことは全く出来ていなかった。
彼はプログラミングの才能があったため成功した就職となったが、もし才能がなかったと思うとぞっとする。
そのあたりのことは全く考えていなかったことが、今振り返ると大きな反省点だ。
実際彼と同時期に入社した多くの人がプログラムが組めるようになる前に辞めていったそうだ。

そんな彼は今では、尊敬するIT技術者となっている。