おすすめの本(1)

独断と偏見でいろいろな書籍をおすすめ
水田が独自の(独特の)視点で書籍をご紹介いたします。特に、広くいろいろな仕事に役立ちそうな本を紹介しようと思います。まずは私の本の選び方について述べておきます。
 
 本の買い方が変った
いろいろ勉強した結果もっとも私の行動で変化したことは、本の買い方です。出版業界の裏側を知ってしまうとなかなか本を買う気になりませんし選び方が慎重になります。本屋で本を眺めることはしますが、本屋では買いません。Amazonの口コミなどをチェックしてからしか買いません。内容の薄い本であれば、口コミを見るだけでほとんど内容が分かってしまいますので買う必要がありません。またおせっかいな口コミでは「この本だったら○○という本のほうが良い」というものもありますので、口コミだけでほしい本が見つかりますし、立ち読みより効率的です。以下、私の本の選び方の特徴を述べますが特にこの方法を推奨しているわけではありませんのであしからず。
 
 こういう本は買わない

       本をいっぱい書いている有名人の本

ほんの数時間の取材だけをもとに出版業者が書いている場合があります。内容が薄いですし同著の他書籍と内容がほとんど同じ場合も有ります。ただし有名になる前の初期の本には良書があったりします。(勝間さんの会計の本など)

       新しくて売れている本

はずれが多いです。たまにあたりもありますが、売れている本は口コミも多く出ますので、買わなくても良い場合が多いです。

       タイトルが「○○を買え」など断定的

販売戦略を考えすぎた断定的なタイトルが付いた本は中身が独善的で客観性にかけたものが多いです。「スタバではグランデを買え」という本がありましたが、内容はこのタイトルと関係ありませんでした。

       経営者自身が経営について語った本

前のコラムにも書きましたが多くの場合、成功とその要因の因果関係が整理されていません。また自社のことしか書いてない場合が多いので、必然と偶然の区別もできないのであまり有益でない場合が多いようです。ただ、経営者が自分の業界全体について語った本は、説得力があり、よい本の場合があります。
 
 こういう本を買う
・ 知っている人の本
特に授業や講演を聞いた人の本は買いやすいです。その人がどのような経験をもっていてこの記述になったか分かるので、ここの記述は重いとか、ここの記述は素人発言だということが分かります。講演者なら講演の復習にもなりますし。もちろん、講演がつまらなかったら買いません。また、web上で記事を書いていたり、ブログ記事があったり、twitterで知っている人も同様です。

       日本能率協会マネジメントセンターの本

ふくろうのマークの出版社で、実践的な本が多いです。内容勝負の本が多く客観的なものが多いです。(そのためあんまり儲かっていないようですが・・)

       大学学部生向けの教科書的な本

参考文献が多く内容が偏ってなくてよいです。専門分野外の勉強を基礎から行う場合に、特に有効だと思います。私は政治学の本を持っています。

       引用されている本

他の本や、web上の記事、ブログなどが好意的に引用している本は、その分野の教科書的な本であることが多く良書も多いです。ただし、実は広告だったり、アフィリエイトだったりする場合も有るので注意が必要です。

       本を紹介する本

古典的ですが、結構役に立ったりします。
 
 私の本棚
私は根本的に読書が嫌いなので、あまり多くの本は持っていません。下記のリストでだいたい網羅しています。ご参考までに。
 
★★ TOP POINT ★★
最近発売されたビジネス書10冊に関して、1冊を4ページに要約して紹介する月刊誌です。初めの1ページがさらに要約されたもの、残り3ページで要約となります。さらには目次には各書籍のさらに要約されたもののさらに要約版があり、興味があれば要約版を読むという使い方ができます。目次を見ると最近注目されているビジネス書がどれであるかも分かりますし、興味があれば1ページ番の要約をよみ、さらに興味があれば3ページの要約を読むという読み方ができ、効率的です。毎月1~2冊は新しい本ではなく古典的名著が紹介されます。名著が要約で読めるのはとても助かります。
 
 毎月「これは」と思える本は10冊中、0~1冊
毎月10冊紹介されますが、「これは」と思い1ページ番の要約を読むのは0~1冊です。3ページのフルバージョンの要約まだたどり着くことはたまにしかありません。月に一度届くTOP POINTですが、15分以上読むのに時間がかかったことは無いと思います。
 
 結局買うまでには至っていない
TOP POINTを買い始めて半年ぐらいになりますが、まだ購入に至った本はございません。これは要約がすばらしいから買う必要がなくなっているのか、それとも、いい本が紹介されていないのか、それはまだ分かりません。いずれにせよ、購読を続けていこうと思います。
 
★★ 図解 コーチングマネジメント ★★
先生(ティーチャー)とコーチは違います。ティーチャーは自分が出来ることを教えます。自分のやり方を教え、自分やり方と同じことを相手にできるようにさせます。コーチは自分が出来ないことを相手にできるようにしてあげます。例えば、水泳のオリンピック選手のコーチは選手より早く泳げるわけではありませんが、選手をコーチして世界記録を出せるようにします。コーチは自分の泳ぎ方を選手ができるようにしているわけではありません。選手の潜在能力を引き出すことを行っているのです。この本は、ビジネスの世界においてのコーチングの方法を可能な限り簡素化して解説を試みたものです。
 
 傾聴はすべての基礎
ビジネスでの人材育成においては、ティーチングとコーチングの両方が必要です。しかし、新しかったり難しかったりする問題をとかせる場合は、ティーチングは有効ではありませんので、どうしてもコーチングの出番が多くなります。コーチにとってもっとも重要な能力は聞くことです。この聞くことは何も考えずに聞くことと区別するために「聴く」とか「傾聴」という言葉を使うことがあります。相手が話しやすく聴いてあげる、相手の能力を引き出すように聴いてあげる、相手が自分も気付いていない解決策を見つけられるように聴いてあげる、相手が目的を間違えないように聴いてあげる、こんな聴き方が「傾聴」です。そのやり方がこの本に書かれています。
 実はこの「傾聴」、カウンセラーやファシリテーター、もっと言えばアサーティブに振舞うことにとっても重要な能力であり、あらゆる分野に属している人に必要な基本的かつ根源的な能力であるといえます。「傾聴」さえできればあらゆる分野で活躍できるといってもおおげさではないでしょう。これらについては、他の書籍を紹介するさいにも述べさせていただきます。
 
 訓練しないと実践は難しい
ただこの「傾聴」、訓練しないとできるようになりません。私は以前通っていた診断士養成課程では、傾聴が必要な基礎能力という考えの下、入学直後の初めの8時間くらい、この訓練を行いました。訓練をする前は「では初めに話を聞く練習を8時間します」といわれてこの学校は頭がおかしいじゃないかと思いましたが、終わってみれば奥が深すぎて「8時間では全然足りなかった」という感想を持ちました。機会があれば30時間ぐらい訓練したいと思っています。
 ちなみに私の家内は1月に突然「産業カウンセラー養成講座」に通うと言い出して、4月から半年間、毎週土曜日を使って「傾聴」の訓練を受け始めました。全部で120時間くらいの訓練ですので、どのくらい上達するかみものです。