人間尊重の心理学 読書メモ2

カール・R. ロジャーズ  '人間尊重の心理学―わが人生と思想を語る' 
の読書メモその2です。

(p.19)
私は、肯定的感情を提供したり受け止めたリすることに恐れを感じなくなってから、他者をより尊重するようになりました。また、他者を尊重することは難しいことであると考えるようになりました。自分の子供に対してすらそうなのです。子供たちをこころから尊重して愛するよりも、彼らを思いのままに動かして愛していることがあまりに多いのです。私が最も充実を感じるのは、私が日没の美しさをこころからいとおしむように、目の前にいる人をこころからいとおしんでいる時です。その人をありのままに受け止めるなら、日没の景色と同じように素晴らしいものです。私たちが日没を心からいとおしむのは、太陽を思い通りに動かせる等と思ってもみないからでしょう。夕焼けを見ながら、「右側のオレンジ色をもう少しぼかして、下のほうの紫をもう少し広げて、雲はバラ色にしたいな」等とつぶやくことはありません。日没を自分の意思で動かそうとは思いません。日が沈む様を、畏敬をこめて見守ります。これと同じように、同僚、息子、娘、孫たちを見守るのが私は最高に好きなのです。こういうあり方は東洋的態度なのだと思います。私にとっては、それが最も満足できることなのです。